信楽焼

SHIGARAKI YAKI

信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町近辺で生産される伝統的な日本の陶器で、日本六古窯の一つです。その歴史は古く鎌倉時代にまで遡り、常滑焼の技術的な影響を受けて生産がはじまったとされています。

伝統的な信楽焼は、釉薬を施さずに焼成するため、ざらざらとした質感と、少し厚めの重厚感が特徴です。また、現代的な信楽焼は、灰釉、油滴天目釉などを使用したものも数多く、自由な陶材で陶芸を行っています。また最近は光ファイバーの廃材などを利用した陶器などもあります。


丹波焼

TANBA YAKI

丹波焼は兵庫県丹波篠山市一帯で生産される伝統的な陶器で、日本六古窯の一つです。その歴史は古く平安時代末期にまで遡り、常滑焼の技術的な影響を受けて生産がはじまったとされています。また現存する最古の登り窯があることでも知られています。

伝統的な丹波焼は、自然の釉薬(燃料である薪の灰がガラス化したもの)で焼成するため、茶褐色と緑色の色合いが特徴です。また現代的な丹波焼は、釉薬を用いられることも多く、多くの陶芸家が自由な陶材で陶芸を行っています。


伊賀焼

IGA YAKI

伊賀焼は、三重県伊賀市で生産される伝統的な日本の陶器です。その歴史は奈良時代にまで遡り、平安時代末期から鎌倉時代に本格的に発展しました。その後、一時期衰退しますが、十八世紀後半には再興され、現在に至ります。

伝統的な伊賀焼は、温度に強い古琵琶湖の粘土が用いられるため、釉薬を施さずに複数回焼成することができ、火色の風合いが特徴です。また、現代的な伊賀焼は種々の釉薬を用いたものもあります。


萬古焼

BANKO YAKI

萬古焼は三重県四日市市近辺で生産される伝統的な半磁器(陶器よりも硬く耐水性に優れています)です。その歴史は江戸時代中期に沼波弄山(ぬなみろうざん)が窯を開いたことに始まります。この萬古焼(古萬古)は一度、廃窯になりますが、その後、「有節萬古」や「四日市萬古焼」として新たに復活し、現在の萬古焼となっています。

古萬古、有節萬古は、鮮やかな色付けのものが多いですが、四日市萬古焼は釉薬を使わずに焼き上げた「紫泥」と呼ばれる小豆色のシンプルな作品も多く、現在の萬古焼の代名詞になっています。


京焼(清水焼)

KYO YAKI (KIYOMIZU YAKI)

京焼は、京都の東山山麓地域を中心に広がった焼き物、清水焼は、清水寺の参道である五条坂で作られていた焼き物で、合わせて京焼・清水焼と呼ばれる伝統的な日本の陶磁器です。その歴史は江戸初期にまで遡り、茶の湯と共に広がりました。

京焼・清水焼は、昔から各地の様々な土、釉薬で作られ、また手書きによる絵付けがされたものなどが多くあります。特に近年では、マンガン、銅などの金属釉を用いた陶器などもあり、伝統的な技術と近代的な技術が融合した焼き物になっています。


紀州焼

KISHU YAKI

紀州焼は、和歌山県西牟婁郡市白浜町で生産される伝統的な日本の陶器です。その歴史は江戸初期にまで遡り、甚兵衛焼、善明寺焼などと呼ばれていましたが、次々と廃業になりました。昭和七年に寒川栖豊氏がこれを復興させるべく小田原に開窯し、その後、南紀白浜に窯を移しました。

伝統的な紀州焼は、釉薬を施さずに焼成するため、ざらざらとした質感と、少し厚めの重厚感が特徴です。また、現代的な紀州焼は熊野にある黒い石(那智黒)に着目し、これを釉薬として使用した那智黒釉を完成させ、現在に至っています。


近畿地方(窯)

KINKI (Others)

近畿地方は歴史的に古い信楽焼、丹波焼などの有名な焼き物に加え、圓平窯、唐橋焼といった比較的新しい窯元も多く、多くの陶芸家の方々が日々作陶を行っています。